労災保険 休業補償給付シミュレーター

仕事中や通勤途中のケガ・病気で働けなくなったとき、労災保険から「休業補償給付(給付基礎日額の60%)+休業特別支給金(20%)=80%」が休業4日目から支給されます(業務災害の待機3日間は事業主が労基法の休業補償を負担)。事故前3ヶ月の給与から給付基礎日額を算出し、1日あたりの支給額と休業期間の総支給見込み額を一括計算します。労災給付は完全非課税のため、実質の手取りは平常時とほぼ同等になります。令和8年度の年齢階層別限度額に対応。

休業補償給付 シミュレーション

基本給+残業代・通勤手当など毎月支払われる賃金の3ヶ月合計。ボーナス(3ヶ月を超える期間ごとに支払われる臨時賃金)は含めません。

事故日から遡って3ヶ月間の実際の暦日数。月によって90〜92日です。

算出した給付基礎日額が年齢階層ごとの限度額(令和8年度・毎年4月改定)を外れる場合、限度額が適用されます。

事故の区分

医師の指示による休業期間の目安。最初の3日は労災給付の対象外(業務災害なら事業主の休業補償)です。

計算のロジック

給付基礎日額=事故前3ヶ月間の賃金総額÷その期間の暦日数(1円未満切上げ)。算出額が年齢階層別の最低・最高限度額(毎年4月改定・令和8年度値に対応)を外れる場合は限度額が適用されます。

労災支給額は休業4日目から1日につき給付基礎日額の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)。本ツールでは1日の支給額を1円未満切上げで概算しています。通勤災害の場合は支給の際に1日あたり200円の一部負担金が差し引かれます。業務災害の待機3日間は、事業主が労基法に基づく休業補償(平均賃金の60%以上)を支給します(本ツールでは給付基礎日額×60%×3日で概算)。

労災給付は非課税 ― 手取りは実質ほぼ平常時

労災保険の給付は所得税・住民税ともに非課税で、社会保険料も発生しません。平常時の給与は税金と社会保険料で約2割引かれるため、額面の80%である労災の休業給付は、手取りベースでは平常時の収入とほぼ同等になります。「8割しかもらえない」と怖れる必要はありません。

限度額表(令和8年度・年齢階層別)

休業給付基礎日額の最低・最高限度額(令和8年4月1日改定)
年齢階層最低限度額最高限度額
20歳未満5,799円14,597円
20歳以上25歳未満6,260円14,597円
25歳以上30歳未満6,874円16,191円
30歳以上35歳未満7,157円19,610円
35歳以上40歳未満7,534円22,499円
40歳以上45歳未満7,697円24,084円
45歳以上50歳未満8,007円26,238円
50歳以上55歳未満7,821円26,868円
55歳以上60歳未満7,536円27,949円
60歳以上65歳未満6,450円23,237円
65歳以上70歳未満4,400円17,755円
70歳以上4,400円14,597円

この限度額は一般労働者の年齢階層別賃金実態を考慮して毎年4月に改定されます。

申請フローのステップ

休業補償給付を受け取るまでの流れは以下の通りです。最初の3日間(待期期間)は労災保険からの給付対象外ですが、業務災害である以上、使用者に労災補償義務(労働基準法第76条)が課されるため、待期3日分は事業主が平均賃金の100%で補償する義務があります。

  1. 事故発生・医師の診察 ― 業務上の事由による負傷・疾病であることを確認する。整骨院ではなく医師の診療(病院・診療所)を受けることが原則です。
  2. 病院窓口で「療養補償給付たる療養の給付」(様式第5号)を提出 ― 事業主の証明欄に記載・押印してもらい、労災指定病院の窓口に提出すれば療養は現物給付(窓口負担なし)になります。
  3. 休業4日目以降に「休業補償給付支給申請書」(様式第8号)を提出 ― 事業主が賃金支払状況等を証明し、管轄の労働基準監督署へ提出します(初回申請は労働基準監督署長宛)。
  4. 会社が賃金を支払った場合の調整 ― 休業中に事業主から平均賃金の60%以上が支払われた日は休業補償給付が支給されません(企業補償が優先)。100%支払われていれば給付申請は不要です。
  5. 会社が証明を拒む場合 ― 事業主が様式第5号・第8号の証明欄の記載を拒否する場合は、労働基準監督署に事実を申告すれば、労働基準監督署長が事実確認のうえ給付決定を行うことができます(申告制度)。

傷病手当金(健康保険)との違い

業務外の病気・ケガで休業する場合は労災ではなく健康保険の「傷病手当金」の対象になります。両者は似た制度ですが、支給率・待期期間・税扱いが異なります。

労災休業補償給付と傷病手当金の対比表
項目労災 休業補償給付傷病手当金(健康保険)
対象業務上の事由(通勤災害は別制度)業務外の事由による病気・ケガ
支給率給付基礎日額の80%(休業補償60%+休業特別支給20%)標準報酬日額の約67%(2/3)
支給開始休業4日目から(初めの3日は待期)休業4日目から(3日間の待期期間は給付なし・有給消化可)
待期3日間の扱い事業主の労災補償義務(平均賃金100%)法律上の賃金補償義務なし(就業規則次第)
税金非課税非課税(社会保険給付)
申請先労働基準監督署協会けんぽ・健康保険組合

よくある質問

労災の休業補償給付は1日いくらもらえますか?

給付基礎日額(事故前3ヶ月の総支給額÷暦日数)の60%相当額の休業補償給付と、20%相当額の休業特別支給金を合わせて、1日あたり給付基礎日額の80%が支給されます。例えば給付基礎日額1万円なら1日8,000円です。また労災給付は所得税・住民税ともに非課税のため、手取り額としては平常時の収入とほぼ同等になります。

最初の3日間はなぜ支給されないのですか?

休業の初日から3日目までを待機期間といい、この期間は業務災害の場合、事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償(1日につき平均賃金の60%以上)を支給することになっています。労災保険からの休業補償給付と休業特別支給金は休業4日目から支給されます。通勤災害の場合、事業主に休業補償の支払義務はありません。

給付基礎日額はどう計算されますか?

事故(算定事由発生日)の前3ヶ月間に支払われた賃金の総額(ボーナスなどの特別払いを除く)を、その期間の暦日数(90〜92日)で割った額です。1円未満の端数は切り上げます。なお、算出した額が年齢階層ごとの最低限度額を下回る場合や最高限度額を上回る場合には、その限度額が適用されます。

労災の給付に税金はかかりますか?

かかりません。休業補償給付・休業特別支給金ともに労災保険給付は所得税・住民税ともに非課税です。平常時の給与は社会保険料と税金で約2割引かれるため、額面の80%である労災給付は、実質の手取り額としては平常時とほぼ同等になります。

通勤事故でも労災保険が使えますか?

使えます。通勤災害の場合も休業給付(給付基礎日額の60%)と休業特別支給金(20%)が休業4日目から支給され、金額は業務災害と同じです。ただし通勤災害の場合は事業主の待機期間中の休業補償義務がなく、支給の際に1日あたり200円の一部負担金が差し引かれます。

休業補償給付の請求手続きはどうすればいいですか?

所轄の労働基準監督署へ「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」を提出します。事業主の証明印が必要となるため、原則として事業主を経由して請求します。支給は原則として請求後約1ヶ月で指定口座に振り込まれます。請求権は支給事由発生の日ごとに2年で時効となるため、長期休業の場合は1ヶ月ごとに請求するのが一般的です。

参照年度・最終更新日

参照制度と更新履歴
参照制度労働者災害補償保険法第8条の2・第14条(休業補償給付)・労働基準法第8章
支給率休業補償給付60%+休業特別支給金20%=80%(非課税)・休業4日目から支給
限度額年齢階層別最低・最高限度額(令和8年4月1日改定・毎年4月改定)
最終更新日2026年10月6日
次回検証予定2027年4月(令和9年度限度額改定後)

限度額は毎年4月に改定されます。最新情報は厚生労働省公式ページでご確認ください。

免責事項と編集方針

本ツールは、一般的な情報提供と教育を目的としており、災害の業務上・通勤上の因果関係や支給の該当性の判断、事故責任の認定には一切関与しません。計算結果は概算であり、実際の支給額は労働基準監督署の裁定、賃金の実態、端数処理、一部負担金の有無などにより異なります。支給の可否や正確な額は、所轄の労働基準監督署にご確認ください。当サイトの編集方針については、こちらをご覧ください。

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