傷病手当金シミュレーター
病気・けが(業務外の事由)で休職したときに健康保険から支給される傷病手当金を自動計算します。1日あたり支給額(平均標準報酬月額÷30×2/3)、待期3日を除いた支給対象日数、受給総額の見込み、支給開始日から通算1年6ヶ月の受給期間の目安まで一括で試算。休職中に給与が一部支払われる場合の差額調整にも対応しています。
傷病手当金シミュレーション
計算式と根拠(健康保険法第99条・第108条)
| 1. 平均標準報酬月額 | 支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均(被保険者期間が12ヶ月に満たない場合は、継続各月の平均額と被保険者全体の平均額(30万円基準:令和7年3月31日以前/32万円:令和7年4月1日以降)のいずか低い額) | 健康保険法第108条・協会けんぽ算定方式 |
| 2. 報酬日額 | 平均標準報酬月額 ÷ 30(10円未満四捨五入) | 健康保険法施行規則第55条 |
| 3. 1日あたり支給額 | 報酬日額 × 2/3(円未満四捨五入) | 健康保険法第99条 |
| 4. 支給対象日 | 業務外の事由で療養のため休業した日のうち、連続3日(待期)を超えた日。4日目から支給 | 健康保険法第99条第1項 |
| 5. 支給期間 | 支給開始日から通算1年6ヶ月(途中復職で支給されない期間は繰り越し、ただし支給開始日から1年6ヶ月で終了) | 健康保険法第102条・令和4年1月改正 |
| 6. 給与との調整 | 休業中の給与が傷病手当金より少ない場合は差額を支給、多い場合は不支給 | 健康保険法第99条第3項 |
傷病手当金は所得税・住民税ともに非課税で、社会保険料もかかりません。働いていたときの額面の約2/3でも、手取りベースでは約7〜8割の生活水準を維持できるのが特徴です。ただし労災(業務上の病気・けが)は傷病手当金の対象外で、休業補償給付の対象になります。
傷病手当金が支給される4つの要件
| 要件 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 業務外の療養 | 業務外の事由による病気・けがの療養であること | 労災(業務上・通勤災害)は対象外。うつ病などの精神疾患も対象になり得ます |
| ② 労務不能 | 今までの仕事ができない状態であること | 医師の意見書をもとに保険者が認定。入院中だけでなく自宅療養も対象 |
| ③ 連続3日を含む4日以上の休業 | 連続する3日間(待期)を超えて休業していること | 待期3日には土日祝・有給も含まれますが、連続が必要です |
| ④ 休業中の収入減 | 休業している期間に給与の支払いがないこと | 給与が傷病手当金より少なければ差額支給されます |
傷病手当金で損しないためのポイント
- 退職日は「出勤せず」退職する:退職後も継続受給するには、資格喪失日の前日まで被保険者期間が1年以上・資格喪失日の前日に受給中(または受給可能)であることが条件です。退職日に有給消化扱いでも出勤扱いにならない「最終出勤日の翌日を退職日」にするのが定番です。
- 申請書は医師・会社の記入欄がある:傷病手当金支給申請書は本人・事業主・担当医師の3者が記入します。診断書とは別に医師の記入が必要なので、余裕をもって依頼しましょう。
- 受給権の時効は2年:支給を受けることができるようになった日の翌日から2年で消滅時効になります。申請を先延ばしにしないようにしましょう。
- iDeCo・DC一時金と受け取る年をずらす:傷病手当金は非課税ですが、退職後にDC一時金(退職所得)や失業保険と組み合わせる場合は受け取る時期の設計で税負担が変わります。
- 1年6ヶ月を超える長期休職は障害年金も検討:傷病手当金の受給が終わっても症状が重い場合は、障害厚生年金・障害基礎年金の対象になる場合があります。ただし同一傷病では障害厚生年金との調整が行われます。
- 健康保険組合加入者は給付が手厚い場合も:協会けんぽのほか健康保険組合独自の「傷病手当金上乗せ給付」がある場合があります。自分の加入先の付加給付を確認しましょう。
よくある質問(FAQ)
待期3日とは何ですか?最初の3日間はもらえないのですか?
業務外の事由で療養のため労務に服さなかった期間が連続して3日あることを「待期」といい、この3日間は支給対象になりません。4日目の休業から支給されます。待期の3日間には土日祝や有給休暇も含まれますが、必ず連続している必要があります。本ツールの「支給対象日数」は休業日数からこの3日を除いた日数です。
傷病手当金は何ヶ月まで受けられますか?
支給開始日から通算して1年6ヶ月が限度です(令和4年1月以降の通算制)。途中で復職して支給されない期間があっても、その期間は支給期間にカウントされないため、通算1年6ヶ月に達するまで繰り越して受給できます。ただし支給開始日から暦の上で1年6ヶ月が経過すると通算中であっても支給は終了します。
休職中に給与の一部が支払われる場合はどうなりますか?
休業している日について給与が支払われても、その額が傷病手当金より少なければ差額が支給されます。給与が傷病手当金以上であれば支給されません。本ツールでは「休職中の給与の月額」欄に入力すると、月あたりの差額支給の目安を表示します(実際の調整は日割りで行われます)。
傷病手当金に税金はかかりますか?
傷病手当金は健康保険法に基づく給付金で、所得税・住民税ともに非課税です。社会保険料もかかりません。働いていたときの額面の約2/3でも、手取りベースでは約7〜8割の水準を維持できるのが特徴です。
会社を辞めた後も傷病手当金を受け続けられますか?
退職日まで被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失日の前日において傷病手当金を受けている(または受けられる状態である)場合は、退職後も引き続き受給できます(資格喪失後の継続給付)。ただし退職日に出勤すると要件を満たせなくなるため、最終出勤日の翌日を退職日とするのが一般的です。退職後に任意継続被保険者になった期間に発生した病気・けがは対象外です。
失業保険(基本手当)と傷病手当金は併用できますか?
傷病手当金を受けている期間は「すぐに就職できる状態」にないため、失業保険の基本手当とは原則併用できません。退職後は傷病手当金の継続給付と失業保険のどちらを軸にするか設計が必要です。体調が回復して就労可能になった時点から失業保険の手続きを検討しましょう(受給期間は原則離職後2年以内)。
参照年度・最終更新日
| 参照制度 | 健康保険法第99条・第102条・第108条、健康保険法施行規則第55条、令和4年1月の支給期間通算化 |
| 適用時期 | 支給期間の通算制は令和4年(2022年)1月以降に支給を開始した分から適用 |
| 最終更新日 | 2026年10月5日 |
| 次回検証予定 | 法令改正時(給付率2/3・待期3日・1年6ヶ月は長期不変) |
免責事項と編集方針
本ツールは、一般的な情報提供と教育を目的としています。計算結果は、いかなる形式の社会保険、税務、または法的な助言を構成するものではありません。実際の支給額は、標準報酬月額の決定状況、加入期間、給与の支払状況、医師の意見書の内容など個別の事情により異なります。正確な判断は加入している健康保険組合または最寄りの年金事務所にご相談ください。当サイトの編集方針については、こちらをご覧ください。
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